元銭湯である桜湯を復興させることを決めたのは、令和3年12月のこと。
建物を眺めながら、桜湯が開業した昭和29年当時に想いを巡らせました。

せっかく復興させるのであれば、「地域に輝きが戻るきっかけ」になるような空間にできればと思い、令和4年1月より工事を始めました。

工事の途中には、大量に降り積もった埃や、取っても取っても出てくる石膏ボードや、打ち付けられた釘の数々と格闘しながらも、70年前から現存する建物の躯体にはほとんど手をつけず、Qubeという組み換え可能な部材と、大量の本やアート作品を投入しました。
手元にあるものでどこまで表現できるのかに挑戦しようと、備品の新品購入は必要最低限とし「自分たちが”本物”と思うもの」を持ち寄り、この空間を実現させました。

壁がなく、隙間があり、レイアウト変更が可能なこの空間のように、考えや行動を固定することなく、日々変化させていくことが大切だと思っています。

決して完璧ではないところに、皆さまの感性が刺激され、創造力が膨らみ、何かをはじめてみようというきっかけにつながることを願っています。

富岡の地で育った子どもが、２０年後、３０年後に同窓会で

「また、Re桜湯に集まろうよ」

と言ってもらえるようになったら、これほどの喜びはありません。

代表取締役　櫻井 友晶